美容整形用語集 は行
注入して、しわや傷跡など、陥没を「盛り上げる」もの。この、「盛り上げる」という作用を利用して、近年では
隆鼻術や顎を前に出す用途に、「
プチ整形」と称して用いられることも多い。
フィラーには、大きく分けて半永久的なものと一時的なものがあるが、最近は長期間作用タイプ(Semi-permanent)のものも登場してきた。
一時的なものには、ヒアルロン酸・コラーゲン
半永久的なものには、
アクアミド・バイオアルカミド・ダーマライヴ・アーテコール
長期作用型には、レディエッセ・ニューフィル
などがある。
「プチ整形」とは、2003年頃から発生した造語である。初期のころにはインスタント整形とも称せられた。
その意味するところは、腫れない・切らない美容整形のことである。
具体的には、フィラー(ヒアルロン酸)を用いた隆鼻術や顎出し・固定箇所を少なくした埋没法重瞼術・フィラーでのシワ取り・ボトックス注射・スレッドリフト などである。
プチ(Petit)とはフランス語で小さいという意味なのだが、その名の通り、プチ整形は腫れや内出血・術後の痛み・生活制限などの、手術に伴う負担が小さいのであるが、効果の度合いや持続期間もプチであることが、大きな変化を望まない傾向にある日本人に受け入れられやすかったと言える。また、「何もしなくてもいつかは元に戻る」という安心感も、受容されやすい要素であった。
ヒアルロン酸は、関節、硝子体、皮膚、脳など広く生体内に見られる。工業的には乳酸菌や連鎖球菌により、つまりバイオ技術によって大量生産される。
美容外科領域では、フィラーとして注射して、シワを盛り上げる用途として使用する。
同じくフィラーであるコラーゲンとの違いは、タンパク質でないためアレルギー反応が非常に稀であり、パッチテストが不要であることである。また、コラーゲンの効果持続期間が3?6か月であるのに対してヒアルロン酸は6?12か月であるため、1999年ごろから爆発的に好評を博し、それまでのコラーゲンにとって代わってしまった。
また、2000年代にはプチ整形ブームに乗って需要が増大した。
現在、ヒアルロン酸フィラーを発売しているメーカーは、多数存在する。
代表的なものは、Q-Med(スウェーデン)、アラガン、メンターなどがある。これらメーカーは、適応拡大と効果持続性の長期化を競っている。
1)クロスリンク
ヒアルロン酸の分子の鎖を、撚り糸のように束にした加工を施したもの。
2)モノフェーズ
1製品単位を、すべて一つの分子の鎖で作成したもの。
3)ラージパーティクル
分子の鎖の塊(粒)を大きくしたもの。注意して注入しないと、しこりを残す。
Q-Medがマクロレーン・サブQで豊胸術のマーケットを開拓しようとしたが、日本のみに留まっている。また、現在では、1年を超える効果の持続があるヒアルロン酸フィラーも存在する。
健康食品・サプリメントとしてヒアルロン酸の経口摂取を謳った商品が存在するが、ヒアルロン酸は消化酵素であるアミラーゼによって分解されるため、口から食品として摂取することで軟骨や皮膚などに補充されるという考えは、まともな生化学者の大半が否定している。
人体に装着して、外見を形作るものの総称。
装着方法によって、大きく2つに分類される。
1)外装プロテーゼ
エピテーゼとも呼ばれ、外傷や癌の摘出手術などの痕の、身体の欠損部分に装着して用いる。いわゆる、義肢などの装具の一種とも言える。
2)埋入プロテーゼ
体内に手術的に埋め込むプロテーゼ。埋め込むをいう意味で、インプラントと言われることもある。
美容整形の分野で用いるのは主にこちら。
最近は、シリコンやゴアテックスが用いられる。
また、埋め込んで外見を形作るということで、ヒアルロン酸やコラーゲンなどのフィラーも、インジェクタブルインプラントと呼ばれることもあり、国際的に、学術的にはこちらを用いる場合が多い。
乳房を大きくする美容整形・美容外科手術のこと。現在では、大きく分けて2つの方法がある。
1)人工物を使用する方法
シリコン製のプロテーゼを、手術的に挿入する方法。挿入する層によって、大胸筋の上か下かの2種類。さらに、切開創の位置によって、腋から行う方法・乳房の下から行う方法・乳輪から行う方法の3種類があり、合計で2X3=6種類の方法がある。
2)脂肪注入
脂肪吸引で採取した脂肪を、乳腺の周囲に注射する方法。注射する脂肪の加工方法によって、吸収されてしまう脂肪の率が大きく異なる。また、脂肪吸引で脂肪を採取する必要があるので、非常に痩せた人には不向き。
成分はボツリヌムトキシン・タイプA。食中毒菌の一つである、ボツリヌス菌が分泌する毒素の一種。ただし、製品にはボツリヌス菌そのものは入っていないため、食中毒にはならない。
Botoxは、アラガン社の国際登録商標。
同じ作用の製品に、
Dysport(イプセン社・イギリス)
ニューロノックス(韓国)
BTXA(中国)
メディトキシン(韓国)
などがある。
元来、脳性まひのケイレンや斜頚の治療薬として開発された。
作用は、注射を受けた部分の筋肉線維を麻痺させることである。
持続期間は約4か月。
シワに対しては、シワを寄せるための表情筋に注射し、シワを寄せることをできなくすることによって、改善を図る。いわゆる、プチ整形によるシワ取り治療の一つの項目として人気がある。
また、「麻痺した筋肉は萎縮する」と言う作用を利用して、歯ぎしり・エラの縮小・ふくらはぎの縮小 などにも用いられる。ただし、一旦委縮した筋肉が元の太さを回復するまでには、トレーニングをしない限り、約2年間を要するとも言われている。
さらに、使用方法によっては、口角や眉毛を上げたり、小鼻を小さくすることや、ガミースマイル(笑ったときに歯茎が見える)を改善したりも可能。
筋緊張性頭痛や肩こりの改善にも使用される。
APTOSと呼ばれるものと、同様の構造。スレッドリフトの項目参照。
フェザーリフトは、アメリカKMI社の登録商標。
Fractional とは、「断片的」と言う意味。
従来のレーザーのように、スポット内の全面積に隙間なく一度にレーザーを照射するのではなく、レーザービームをミクロ単位で細分化して、10から20パーセントの面積を照射対象とするレーザー。平易に言うと、細かいレーザーを、隙間を開けて照射すること。
リサーフェシングの際、フラクショナルレーザーを用いない場合には、術後は照射した範囲が全て擦り傷を負った状態になっていた。そうなると、全面にわたってかさぶたができるばかりか、回復に長期間が必要で、社会復帰が困難であった。フラクショナルレーザーの場合は、照射範囲がミクロ単位であるため、かさぶたもミクロ単位で、ダウンタイムを大幅に短縮できる。実際、照射翌日であっても、社会復帰が可能である。
ただし、全体のリサーフェシングを完了するには、5回以上の照射を必要とする。
機種としては、フラクセルが草分け的存在で、今なおその性能は他の追随を許さない。
世界初のフラクショナルレーザー。
リサーフェシングの用途に用いる。ニキビ跡・しわ・しみに有効。
フラクショナルレーザーの項を参照。
美容整形領域では、ケミカルピーリングを指す。
薬品によって、皮膚の表面を削り落し、薬剤の浸透性の上昇・刺激によるコラーゲンの増量・回復過程における弾力性の増加などを期待して施行される。効用は、しわ・しみ・毛穴・ニキビ跡・たるみなど。
ピーリングは、その到達する深さから、およそ3種類に分類されることが多い。
1)スーパーフィシャル・ピーリング
フルーツ酸・AHA・乳酸・グリコール酸・ジェスナーソリューションなどが用いられる。
角質層をターゲットとして、主に薬液の浸透性を高める目的と、皮膚の老化予防の目的で行われる。
2)メディアム・ピーリング
TCA・サリチル酸・ブルーピールなどがこれに属する。
真皮上層までのピーリング。
日本人の場合、術後の色素沈着予防のため、ハイドロキノンやトレチノイン(レチノイン酸)などで、前処置を数週間行う。また、術後の日焼け止めの塗布は必須。
3)ディープピーリング
クロトンオイル・フェノール・エクソダームリフトなど。
メディアム以上に、術前術後はしっかりとしたケアが必要。
深いほど効果は大きいが、ダウンタイムも長く、副作用も大きい。特にディープピーリングは、表面の赤みがとれるまで、最低でも3か月から6か月が必要で、東洋人の場合、ケロイド化や色素沈着の発生率も高い。
最近では、フラクショナルレーザーの登場など、レーザー技術の進歩に伴い、施行される例が減少した。